2chMCスレッド

2chの「MC・催眠系総合スレ」をまとめてます。(作りかけだから見にくい)
lien of terror - 2chMCスレッド | 彩民のMC小説

lien of terror



(第1話)
(第2話)


第1話


これは夢だ。夢に違いない。そうさ、この世に羽根と尻尾が生えている女がいるはずない。
『信じてもらえたかな?黒月清水君』
「信じられるかああああああああ、テメェひとの命をなんだと思ってやがる!!!」
俺の前には悪魔がいる。彼女が言うには淫魔らしいが。寝転がってせんべいをかじっている姿は人間のようだ。
こいつが俺の精力を吸いとりすぎて、俺の寿命が60年ほど縮まってしまったらしい。
『あなたがおいしいのが悪いのよ。多分魂の造りが違うんじゃないかしら』
「人間と違うってどういうことだ?」
せんべいをバリバリかじっていた彼女が起き上がった。こうして見るとなかなかの美人かもしれない。
『魂が魔物に近いってこと。昔はあなたのような人は、魔術や超能力とかに目覚めたりしてたの。今ではオカルトの影響力が弱まってるからほぼ皆無だけど。』
「ちょっと待て、俺も魔法とか使えるようになるのか?」
人なら一度は魔法や超能力に憧れるものだ。俺も例外ではない。
『もう使えるよ』
「へ?」
『覚醒の鍵は魔を知覚すること。古代の神官達は、数十年かけて魔を感じるようになってたんだけど、あなたは私が見えるでしょ。意識すれば力の存在を感じれるはずよ』
三枚目せんべいを食べ終えた彼女が、四枚目に手をかけながら言った。
「意識ねえ・・・」
『試しにこれに力をぶつけなさい。目からでも手からでもいいから撃つイメージよ』
彼女が手にとったせんべいを、俺の目の前の床に置いた。
力は手から放つのが王道だろうと思った俺は、右手に意識を集中する。そして自分がここだ、と思ったタイミングで、せんべいに向けて力を撃ち出した。黒い光が手から現れせんべいに直撃する。
せんべいに光が当たった瞬間、俺は自分の力を理解した。それは対象を支配する能力。俺は今、せんべいと繋がっている。
俺が念じると、床に横たわっていたせんべいが起き上がり、くるくると回り出した。
『これは・・・念動力?』
彼女はまだ俺の力を理解していない。俺は隙を見て、せんべいを見つめている彼女にも光を放った。光が彼女の頭に直撃する。しかし彼女との繋がりを感じることが出来ない。
『物質支配かな?珍しいわね。でも一等悪魔の私には効かないよ』
彼女は何事もなかったかの様に、床に置いたせんべいを拾い上げ、またかじり始めた。
『これなら残りの人生にも困らないでしょ。変な力じゃなくてラッキーね。それじゃあたし帰るから。』
話している彼女の姿が徐々に薄くなっていく。
「ちょっとまて!!本当助かる方法は無いのか!!」
『残念だけど。あたしも魔王に話し───あと天───気をつ───』
彼女の姿と同じように、声も遠くなっていく。
最後には跡形もなく消えて、残ったのは食べかけのせんべいだけだった。
こうして俺は寿命と引き換えに力を得た。はたしてこれは寿命と同等の力なのだろうか。
「この力は────」
「うるさあああああい」
扉をぶち破る様にして、新たな来訪者が現れた。声の大きさから察するに相当おかんむりのようだ。
「うるさいよ馬鹿清水!!!」
部屋にやってきたのは俺の姉の黒月舞風だ。性格はとにかくお転婆で、良くも悪くも真っ直ぐな人間だ。
俺の一つ上で高三。よく友人に美人な姉だといじられる。
「次に騒いだら庭に埋めるからね!!」
怒鳴っている姉を見て、俺の体が反応した。体の奥の奥で何かが渇くような感覚。魔に目覚めた俺には、魔力の不足によるものだと理解できた。そして補給法がSEXであることも。
「うっさいよ馬鹿舞」
言うと同時に光を姉の両足に放った。もう姉に足の支配権はない。
「なに!!この、キャッ────」
姉が俺に向かってこようとしてバランスを崩し、床に倒れた。
必死に起き上がろうとしているが、全く足が動いていない。
「どうしたのさ?それじゃ俺を庭に埋めるなんて無理だよ」
俺は腕だけでジタバタしている姉を見下ろしながら言った。生まれてこのかた、気の強い姉を見下ろす機会なんて滅多になかった。
「じゃ次は腕を貰うね」
「あんな何を言っ───」
俺は姉の両腕にも光を放った。これで両手足の支配権が俺に移ったことになる。
腕の動きが止まったことで、部屋の中の音は、俺の声と怯えるような姉の声だけになった。
「うそ、体が、こんなこと、あるはずが・・・」
「信じられない?それなら起き上がらせてあげようか?」
俺が念じると、頭だけしか動いていなかった姉の体が、ゆっくりと立ち上がって気を付けの姿勢になる。
「あたしに何をしたのよ!!はやく戻しなさい!!」
「うるさいな、やっぱり全部貰うね」
姉が一瞬ビクッと震える。
「いやっ、やめひっ───」
姉の言葉は、全身に俺の光を受けて中断された。これで姉の体は完全に俺のものだ。
「もうその体は舞風のじゃないんだ。俺の許可なしではなにもできないんだよ」
俺は立ったままボーッとした顔の姉に語りかけた。意識までは支配していないから、聞こえているはずだ。
「舞風には俺の奴隷になってもらうから。手始めにオナニーでもしてもらおうかな」
そう言って、俺は頭の支配権を、一時的に姉に渡した。ボーッとした顔が泣き崩れたものに変わる。
「もういやぁ許して、お願い」
口は俺にやめるように懇願しているが、体はスルスルと服を脱いでいく。
「舞風は普段どんな感じでオナニーするの?嘘は駄目だからね」
俺は彼女の願いを無視して命令した。嘘をつくなと言えば、今の姉は絶対に嘘はつけない。
「お風呂でよくやってます、いや、やめ、乳首とクリをいっぱい弄って、いやぁ」
抵抗はしているが、俺の力の前では無意味だ。質問に答える時だけ、声が機械の様な感情のない声に変わる。
姉の体が服を脱ぎ終えた。久しぶりに見る姉の体は、大人の女性と言ってもいいほど美しかった。
生まれたままの姿になった姉の体が、俺のベットに移った。
「今の舞風なら、体のどこを触ってもとっても気持ちいいよ。とっても興奮してきただろ?」
俺の新たな命令に姉の体が反応する。体が火照って赤く染まり息が荒くなる。
「んっ、あんたの思い通りに、はぁ・・・、なって、たまるもんですか・・・」
「どうかな」
俺は未だに抵抗を続けいる姉の乳首を捻った。
「んああああぁぁぁっっ、ひぃやめれぇぇあああ」
抵抗など無意味の圧倒的な快感が姉の頭に流れ込む。
乳首を捻っただけで、姉の中から洪水の様に愛液が流れ出てくる。
「胸だけでこんなに濡らすなんて。下を弄ったらどうなるかな?」
俺はそう言って、姉の乳首を弄りながら、姉の陰唇に人差し指をゆっくりと差し込んだ。少々キツイが、大量の愛液のおかげで非常に滑りがいい。
「んひっ、もっ、いやぁああ、来るぅ、くあぁああああ」
姉が俺の指を強く締め付ける。俺に支配されて高まった体は、簡単に絶頂に達してしまう。しかし俺はそう簡単にイカせるような優しい男ではない。
「いけなひいいいぃぁぁっ、いぁ、なんぁっ、んあああああぁぁあ」
姉は俺の許可なしではイクこともできない。
「どうする?舞風が俺の奴隷になるならイカしてあげるよ?そうすれば心も俺のものだけど」
姉に差し込んだ指を、激しくかき回すように動かす。絶頂を迎えない快感地獄のなかで、姉の体が玩具のように指の動きに反応する。
「そんなっ、いやぁ、奴隷なんていやぁ」
俺が少しだけ差し込んだ指を動かす。
「んにゃぁぁぁあああ」
途端に姉が媚声を上げる。
「イクううぅぅっ、ふっあああぁぁあっ、イカしてぇ、お願いいいいぃぁぃぃ」
人外の力に支配された姉は簡単に屈した。
涙と涎にまみれた顔はなんとも淫靡だ。
これ以上焦らすと姉の精神が危ないと感じ取った俺は、最後の仕上げをすることにした。
「いまから俺のを舞風の膣に入れるからね。入ったら舞風はとっても気持ちよくイケるけど、心も俺のものになるよ」
「はぁっ、はやくっ、イカせてええぇぇぇ、ひああぁぁあぁあああ」
もうイクことしか頭にないようで、俺の言葉を理解できてない。
俺は自分のものを取り出し、姉のアソコへあてがって、一気に差し込んだ。
「あぁぁぁぁぁあ゙お゙お゙お゙お゙っ、んひぁっ、ひぐっ、イグぅぅぅぅぅぅ」
待ちに待った絶頂に獣のような叫びをあげる。
同時に俺の体に溢れんばかりの魔力が流れ込む。
「んぎぁ、ふぅあん、んぶぉぁああっ、っああぁぁあ・・・・」
背骨が折れるほど仰け反って、姉の絶頂は終わった。
「それじゃ俺も動くからね」
俺は涙と涎にまみれて、絶頂の余韻を味わっていた姉を抱き締めて、腰を動かした。
「んにゃぁぁぁああああっ、またっ、イ゙っ、きゅぅぅぅぅぁぁああ」
圧倒的な快感の暴力に、姉は白目をむいて痙攣する。口がだらしなく開いき、舌をつきだしている。
俺は弛緩しきった姉と長いキスをした。
「舞風は俺のこと好き?」
「んひあぁっ、しゅきぃ、らいしゅきでふぅぅぁぁああ・・・」
呂律の回らない舌で姉が答えた。
あの生意気な姉がこんなになるとは。俺は姉の表情に興奮して、腰を一際強く動かす。姉の暖かさと共に魔力が心地よく流れ込む。
「舞風の膣にだすからね。舞風は出されたらまたイクんだよ」
「はひっ、イキまひゅ、はやく出してぇぇぇええぇっ」
心まで快感の虜となった姉は、妊娠することなど考えていない。もっとも、俺の力があれば避妊なんて必要ないが。
限界を迎えた俺は、腰を強く打ち付けて、姉の奥深くに流し込むように射精した。
「まだイグっ、イっ、あああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ、あっ、ふぅっ・・・」
膣に射精したことで、姉が二度目の絶頂を迎えた。
体力的にも精神的にも限界を迎えた姉は、快感に耐えきれず失神した。
俺が意識を失った姉からナニを引き抜くと引き換えに、膣から精液が愛液と混ざって溢れ出てきた。
姉の体はまだ微かにビクビク痙攣していた─────




しばらく経つと、姉が意識を取り戻して起き上がった。
「あたし、は・・・」
まだ頭が働かないのか、目が少し虚ろだ。
「おっ?起きたのか」
次の瞬間俺と姉の目が合った。しかし姉の目は最初の様な反抗的なものではない。俺を弟としてでなく、男として見る目だ。
「しみ、ず・・・・あたし」
恋人を見るような熱のこもった視線で見つめてくる姉に、俺は抱き締めながらこう言った。
「大好きだよ舞風」
途端に顔を真っ赤に染め上げて少し俯く。
今の俺は姉にとって、一番大切で大好きな人間となっている。恋人であり主人であり神でもある。
少し時間が経つと、姉が腕を伸ばして抱き返してきた。
「あたしも・・・好きです・・・」
姉は身も心も完全に俺のものになった。今の姉は、俺が脱げと言えばどんな場所でも心から喜んで服を脱ぐだろう。
寿命という大きな対価を払い、強力な力を得た俺は、姉の温もりに包まれながらこれからの短いであろう人生に思いをはせた。


第2話


俺はある日、人生の半分以上を奪われた。理由は余りにも“美味しかった”から。まだ十七だというのに酷い話だ。
寿命と引き換えに俺が手に入れたのは魔法のような力。対象を自在に支配することができる力だ。
俺は早速この力で生意気な姉を、忠実な僕へと生まれ変わらせた。人生何事も前向きに生きていかなければな。
俺は更に僕を増やすべく高校へやってきた。やってきたとは言っても、普段通りに登校してきただけだ。
何処にでもある普通の高校。特徴は水泳の授業があるくらいか。
「お~す黒月」
「おはよう岡」
教室に入って友人と挨拶を交わした。こいつとは小学校からの長い付き合いだ。
普段と変わらぬ何気ないやりとりもなぜか感動的だ。
「なぁ岡よ。生きてるって素晴らしいな」
「・・・・保健室行くか?」
「ふっ、お前はまだまだ青いな」
「重症だな。おっと、来やがった」
ガラガラと扉を開ける音をたてて担任が入ってきた。岡の言うとおり普段よりお早い登場だ。
クラスメイト達が面倒くさそうに席に着こうと動き始める。
「珍しく遅刻なしか。ちょうどいい、突然だがなんと転校生がやってまいりました」
なぜかいつもよりやる気が感じられるのはそのせいか。
それにしても二年で転校してくるとは変わったやつだ。ガチホモ超能力者じゃなきゃいいが・・・・
「喜べ野郎共!!転校生は女の子ですよ!!」
飢えた男子から「ウォー!!」と歓声が上がる。
「では入って来てくれ」
呼び掛けに答えるようにコツコツと足音を鳴らし、髪を靡かせながら女子が教室に入ってきた。彼女の登場で、教室の中からざわめきが消えた。
転校生が教卓を前にして止まってこちらを向く。背は女子の平均ほどで、縁無しの眼鏡をかけている。胸は・・・・普通?
「水乃星天子(みなほし てんこ)です」
教室に澄んだ女の声が響く。大きい声ではないが、教室の端の席の生徒も聞き逃すことはなかっただろう。
「どうぞよろしぐうっ!!!」
深くお辞儀をしたせいで教卓に頭をぶつけた。かなり痛そう。
(・・・・ドジっ娘系?)
教室に和やかな空気が満ちる。
「んまー、仲良くしてやってくれ。水乃星は館谷の後ろの席に座ってくれ」
「はい先生」
水乃星が自分の席に向かう途中、ふと彼女と目があった。だが俺はレンズを通してその目に全てを見透かされているような気がして、すぐに目をそらしてしまった。
「ほら、さっさと授業の準備をしろ。一時間目は俺の古典だぞ」
教室全体からブーイングの嵐が巻き起こる。俺だって朝から古典は嫌だ。
ドジっ娘かと思われた水乃星は意外にも勉強ができたらしく、午前中の授業を難なくこなしていった。
昼休みには女子の中に溶け込んで昼食をとり、水乃星自身の話で会話も弾んでいるようだった。
俺は岡を含めた数人の男子と昼食をとった。
「あの転校生さ・・・・」
「ん?」
「・・・・俺に惚れてる」
「はぁ?」
一体何を言い出すのか。
「今だってチラチラこっち見てるぜ」
自意識過剰にもほどがある。こいつが将来犯罪者にならないか心配だ。
俺も女子の一団からの水乃星の視線に気付いてはいたが、どうにも岡を見ているようには思えない。
調子にのった岡が周りの男子からオカズを奪われている。せっかくなので俺も玉子焼きを頂戴した。
容姿も良く割りと親しみやすい性格だったことが影響したのか、水乃星は転校当日から男子と女子の両方から人気を勝ち取ったのだ。
結局、この日の教室は全授業終了まで水乃星を中心に回っていた。
放課後、俺は本来の目的の為に行動を開始した。女を支配して僕を増やすためだ。候補は一応考えてきてある。
おしとやかなお嬢様系の館谷春菜。ロリ巨乳の結崎理央。
どちらも捨てがたい、だが一人ずつ堕としていくのが確実だろうと考えた俺は、まず結崎を手中に納めることに決めた。やはり胸は重要だろう。
今は彼女は帰り支度をしている。部活には入っていないはず、だからそのまま家に帰宅するはずだ。その途中で彼女を────
「黒月君」
後ろから呼び止められたことで思考が中断させられた。
振り返ると水乃星がニッコリと微笑みながら立っていた。俺は彼女のこの笑顔がなぜか好きになれない。
「ちょっといいかな?話があるんだけど」
「すまん、今から用事があるんだ。別のやつに聞いてもらってくれ」
これから結崎を洗脳するとは言えるはずもない。
「でもさ・・・・」
「ん?」
「結崎さん帰っちゃったよ?」
視線の先をもとに戻すと、ついさっきまで鞄に道具を詰めていた結崎が消えていた。
目を離した隙に帰ってしまったのだろうか。彼女もそれほど暇ではないのかもしれない。
ここで俺はあることに気付いた。
(なんで結崎に用があることに気付いたんだ?)
それはまるで人が変わったかのような変化だった。目は睨むような鋭さに、声は聞くだけで相手を凍てつかせるようなものになる。
「この後すぐに屋上に来なさい」
先程までの彼女からは考えられないような冷たい命令口調でそう言うと、水乃星が足早に教室から出ていった。
今の彼女の変化を他のやつが見ても信じられないだろう。それほど凄まじい変化だったのだ。
俺は少し悩んでから、彼女の待つ屋上に向かうことに決めた。彼女の挑発に乗ったのだ。
これからの俺の邪魔になるならば、先に堕とすことも必要になるかもしれない。
俺は屋上へと続く階段を上り、入り口の扉の前にやってきた。
今の時間帯に屋上にやって来るやつは皆無。入れば最期、水乃星と二人きりだ。
俺は恐怖と興奮で震える手を抑えながらゆっくりとドアノブをひねった。軋んだ音を立てて扉が開いていく。
扉の向こうで、水乃星が屋上の真ん中辺りにポツンと立っていた。人も、小鳥も、風すらも寄せ付けないような、そんな雰囲気が彼女から感じられる。
「来ましたね、黒月清水」
もはや教室にいた彼女の面影はない。こっちのほうが本来の彼女なのだろう。俺が彼女の笑顔が好きになれない理由はこれかもしれない。
俺の後で扉が大きな音を立てて閉まった。
「で、お前何者?」

水乃星が黙って眼鏡を外した。
レンズの向こうから現れたのは青色の瞳。見るだけで吸い込まれそうな深い青だ。
「私は人間でいう天使です」
「天使?天使って・・・・まぁ悪魔がいれば天使もいるか」
俺はすっかりあの悪魔の仲間かと思っていたので心底驚いた。彼女の雰囲気が敵意に満ちていたからだ。
「で、何のようだ?俺を救いにでも─────」
喋っている俺の横を何かが通り過ぎた。不意を突かれた俺は、それが何か確認出来なかった。
次の瞬間、突然後ろの屋上の入り口が崩れ落ちた。凄まじい轟音とともに砂ぼこりが舞い上がる。
「私はあなたを始末しにきました」
「え゙?お前天使なんじゃないの!?」
天使が俺を殺しに?意味が分からない。日頃の行いは悪くないし、ポイ捨てはしない主義だ。
だが後ろの崩れたコンクリートがそれが真実だと語りかけてくる。
「一等悪魔のノルンから異能力の譲渡を受けましたね」
あー、だろうな。確かに悪魔だもんな、あいつは。
「いや、貰ったっていうか・・・・・盗られたっていうか・・・・食われたっていうか・・・・」
俺だって寿命を盗られたのだから被害者だ。これから健気に生きていこうとしていたのに。俺が何か悪いことしたか?
「ん?そういえばあいつノルンて名前だったのか」
「偽名です。真名は神族の命ですから」
そういえば神の名前を知ったやつが全能になる、とかいう話がエジプトか何処かであった気がする。
「神族ってのも大変なんだな。勉強になります」
「あなた以外に冷静ですね。私に勝てるとでも?」
「やって見なけりゃ分からないさ」
俺は言いながら左手から黒い光を放った。受けたものを強制的に支配する俺の力の源だ。ノルンには効果がなかったが、何発も直撃させれば効くかもしれない。
彼女は棒立ちで回避する動きを見せない。
「人間ごときが生意気です」
光が彼女に直撃する直前に、何かに飲み込まれて消えた。
いつの間にか、水乃星の周りに透き通った何かが不規則に形を変えながら浮いている。
「水か?」
「私の力は魔力を水に変換して操ることです。先程の攻撃は水を高圧にして噴射したものです」
コンクリートが粉々になったのだ、直撃した時のことなど考えたくもない。
「今のはこけおどしですか?」
「どうかな」
彼女の周りの水が、俺の支配を受けて主を飲み込もうと激流となって襲う。
「ほう」
しかし主に逆らった水の獣は彼女に触れる直前、白い光になって消えてしまう。
「私の魔力です。消せはしないとでも?」
あの水は水乃星の魔力の塊。出し入れも自由自在なのは当然か。
しかし奪った武器が消されるのは厄介だな。
俺は直ぐに次の一手へと動いた。先手必勝、彼女が本気になる前なら勝機はある。
俺は空中に数個の鏡を放り投げた。勿論俺の力を受けた僕だ。
俺は空中で不規則な軌道を描く鏡達に光を数発放つ。
光が鏡の上を跳ねるように動いて、それぞれ別々の方向から水乃星を襲う。
対する水乃星が胸の前で両手をパン!!と打ち鳴した。すると彼女の周りに球状に水のベールが現れ、全方位から向かってくる光を全て飲み込む。
水乃星がもう一度手を叩くと、俺の奥の手を喰らった水が白い光になって消えた。
「攻防一体ってやつか」
「終わりですか?ならこちらもいきますよ?」
まだ手はなくはない。だが絶対に悟られてはならない。
水乃星が俺に掌を向けた。彼女の真上に、小さな家なら沈めることができそうなほどの凄まじい量の水が発生する。
「マジかよ・・・・!!」
「死になさい」
放たれた水は滝のような勢いで俺を飲み込んだ。圧倒的な力を持って俺を瓦礫に叩きつける。
息が詰まり、肺から空気が押し出され意識が遠のいていく。俺は気力を振り絞って必死で意識を繋ぎ止めた。
俺はこの状況から脱出するために光を放って水を支配する。
俺は水を体から引き剥がし、空中に留める。大きく息をして空気を取り込んだ。
「おらあああああああああ!!!!!!」
俺は奪った大量の水で龍を象って水乃星に向けて力一杯放った。
「奪うしか能がない、本当に罪深い力ですね」
渾身の一撃が彼女を食らいつく寸前で消えていく。だがこれは決して無駄な攻撃ではない。
「まだだ・・・・」
無表情だった水乃星の目が大きく開かれた。
俺が創りだした水の龍は、頭から尻尾まで全て白い光となって消えてしまった。しかしその光の中から一回り小さな龍が現れ、そのまま彼女を喰らおうと牙を剥く。
(なっ!!消えな─────!!)
自分の水は全て消したはず、なのに未だに水が残っているのは何故?その一瞬の疑問が彼女の防御を遅らせた。
「知ってるか」
彼女の僕であるはずの水が水乃星を飲み込む。能力の発動が遅れた彼女には逃れる術はない。
猛獣と化した水が渦を巻き、即座に彼女の体のに自由を奪う。
「うちの高校にはプールがあるんだぜ」
おそらく水乃星が消せるのは“魔力を変換して創った水”ならば現実に存在する水を支配すればいい。
消えない水の正体は学校プールの水だ。俺は鏡を使った攻撃のとき、プールの水に光を当てたのだ。
あとは彼女の水に紛れ込ませて攻撃する。プール一杯もあれば、彼女を飲み込むことなど容易い。
渦の中で水乃星が酸素を求めて外へ出ようと、人間と同じように水の中で激しくもがいている。
「天使も溺れるのか?」
『こんなもの!!』
彼女が激流の中で体制を立て直してこちらを睨みながら言った。だがこれも想定内だ。
「それならこれは?」
俺は水の牢獄に力を込めた。やつが再び動き出す前に完全に止めを刺す。
吐き出す息が白く染まり、周囲に白い靄が発生する。これらは急激な温度の変化によるものだ。
「水は熱が下がると運動するためのエネルギーが無くなり、分子同士が結び付いて固まる」
俺の意思に従って、水が流れを弱めながらパキパキと音を立てて高質化していく。
彼女が抵抗しているのか水龍の腹が歪んで崩れ始めるが、気付くのが遅すぎた。
変化が水龍の端まで行き渡った時、そこに出来上がったのは彼女の力を受けない“氷の牢獄”。
「チェックメイトだ」
学校の屋上という空間に座り込み、太陽の光を反射して芸術的にも見えるオブジェは強烈な違和感を放っている。なかに人がいれば尚更だ。
俺は最後の仕上げにと氷に光を放った。黒い光は氷の中で乱反射し、氷の龍を黒く染めていく。あっというまに水乃星を闇の中に包み込まれ見えなくなる。
それはさながら黒い柱のようだ。
水乃星はこの中で凝縮された俺の力を全身に受けている。これならばたとえ神族でも完全に支配する自信がある。
「我ながら素晴らしい出来だな。記念に写メを・・・・」
俺は一週間前に機種変したばかりの携帯を取り出してカメラを起動した。漆黒の氷の龍、待ち受けに丁度いい。
静かな屋上にシャッター音が響く。
「うん、いいセンスだ。もう一枚・・・・ん?」
俺が二枚の写真を撮ろうと携帯を龍に向けていると、ピキピキと何かにヒビが入る音が無音の屋上に響いた。
俺は携帯の画面から音の正体が龍に亀裂が入ったことだということに気付いた。
俺は冷静に携帯を上着の内ポケットにしまった。龍の崩壊は俺の支配が完了した証でもあるからだ。
全体に走る亀裂のせいで自重に耐えきれなくなった龍が崩れていく。
龍の腹の中から水乃星が氷の破片とともにドサリと地面に落ちた。
「がほっ!げほっ!」水乃星が咳き込みながらゆっくりと立ち上がる。
「まだ意識があるのか。タフだな」
「この・・・・人間がああああああああ!!!!」
水乃星の周囲に再び水が展開する。まだ彼女に敵意が残っていることに驚いたが、俺には勝利への確信があった。
「答えろ!!俺は誰だ!!」
俺の質問に合わせて水が新たな主の意思を受けて消える。
俺は思わずほくそ笑んだ。
「く・・・・あっ、私のっ・・・・ごっ、主人様で・・・・くそっ!!」
彼女の心がゆっくりと俺へと傾いてくる。
俺は水乃星へと歩を進めた。
「お前の使命は!!」
「あなたの為に生き、あなたの為に死ぬことで・・・・・ぐ、来るなああああああ!!!!」
水乃星が半狂乱になって叫ぶ。
何者も俺の力から逃れることは不可能。抵抗など無意味。
俺は水乃星のすぐ前で近付くのをやめる。
「お前は俺が好きで好きでたまらない!!身体中を愛して欲しくてたまらない。!!」
俺の言葉は世界、命、運命、そして自分の意志そのもの。
「嫌だ!!それ以上は・・・・!!」
彼女が頭を抱えてしゃがみこむ。
焼けるような欲望の灼熱が、俺という存在への渇きが彼女を内側から壊していく。
俺の支配はまだ完全ではない、しかし俺の力は彼女の中に深く根をはっている。
俺は暴れる彼女を優しく抱き締めた。泣き叫んでいた彼女の動きがピタリと止まる。
彼女の腕がだらりと下がり、身体中から力が抜けていることが分かる。
「がっ、あぁ・・・・」
彼女の心の渇きが消えていく。
その抱擁が彼女に与えたのは最高の幸福。人生の幸せを全て凝縮したとしても、この抱擁を越えることはできない。
(嫌あっ、溶けるううううううううう・・・・!!!!)
永遠とも思えるような時間が過ぎた後、固く閉ざされていた彼女の口がゆっくりと開く。
「もっとぉ・・・・」
紡ぎだされた言葉は服従の証。
「足りないの!!もっと触ってえええええええええ!!!!!」
俺は無言で彼女の口に唇を重ねた。
彼女の頬に涙が伝う。恐怖からではなく喜びからだ。
俺が舌を突き入れると彼女も俺を求めて舌を動かす。
天使の使命などでは彼女を繋ぎ止めることはできないのだ。
俺はキスをやめ、彼女の制服に力を使ってあっというまに水乃星の服を剥ぎ取った。
欲望に支配され、乳首立たせて股間を濡らした淫らな天使が出来上がった。
俺は少し小さめの胸にしゃぶりつき、右手で濡れそぼった淫裂に手を走らせた。
「ひぃん!いいっ!はあぃああぁん!」
俺が手を動かす度に淫らに喘ぎ、膣さらに愛液が流れ出してくる。
「あふっ、いいのぉ!!きもちいぃ!!もっとしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
涎と涙を流しながら腰を激しく前後に動かす姿はとても天使とは思えない。
「あああぁっ!!くるっ、なにかくるっ!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」
俺はタイミングを見計らって、彼女が達する寸前で口と手を止めた。
「いやぁ・・・・なんでなのぉ・・・・」
「なら君の名前を教えてくれ」
(なま・・・・え?)
水乃星の目に少しだけ力が戻る。
彼女を完全に俺のものにするために足りないもの、それは天使である神族との“霊的な絆”。その為に必要なものは彼女の名前。天使と悪魔にとって、名はその存在そのもの。それを捧げることは永遠にその身を捧げることも意味する。
「君は僕のものだろう?気持ちよくなりたいだろ?」
(私はあなたのもの・・・・もっと気持ちよく・・・・)
「さぁ、僕に愛を誓ってくれ」
(愛を・・・・)
もう彼女には俺が誰なのか、自分が何者かすら分からない。心の底まで真っ白な、ただ愛に飢えた無垢な子供。
「私の名前は────」
彼女の口が発した音は命そのもの。それを聞いた俺は、自分の力を越える何かで彼女と魂が繋がったことを感じる。
「我が主に・・・・、この身を捧げることを誓います・・・・」
水を操る天使はもういない。ここに誕生したのは新たな俺の僕。
主は示された愛には答えなければならない。
「ならば俺もお前と生きることを誓おう」
俺は再び手を動かし始める。ぐちゅぐちゅと湿った音が鳴り響く。
殴り付けるような快感に、水乃星の腰が跳ね上がった。
「んああああぁぁぁぁぁぁぁ!!イ、イクぅぅぅぅぅああぁああぁぁ!!」
心が、身体が、全て満たされていく。
最高の快感へと達した水乃星の膣から愛液が吹き出し、身体を激しく痙攣させる。
俺はズボンから既に限界まで腫れ上がったペニスを取り出し、冷たい屋上の床に座り込んだ。
「最初の命令だ。これを自分の膣に入れろ」
「ふっ・・・・はぁいぃ、ごしゅじんさまぁ・・・・」
ぐったりとしていた水乃星が俺の肩に手をかけた。足を開いて少しずつ腰が俺を飲み込もうと降りていく。
快感に支配された彼女が断るはずもない。
彼女と俺のお互いの性器が接触した。
「一気に腰を落とせ」
彼女が俺の指示に忠実に従い、腰を一気に落した。
(これ・・・・ぁぁああ、私がっ、欲しかった・・・・のはっ・・・・)
その身を貫かれたことで彼女の身体に電撃が走り抜ける。口からは意味のある言葉は発せられず、ただこの喜びを叫ぶのみ。
「ああぁいゃぁぁあああぁあああぅっっ!!!んふぁああぁああぅっぁぁあああっ!!!!!」
彼女の身体がさらなる快感を求めて激しく腰を動かし、強く俺を締め付ける。
「うあああっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁあぁああああぁっぁ!!!! すごいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!いくいくいくいくいくいくいくううううううううううううううう!!!!!!」
この破滅的な快感の爆発は、彼女の全てを飲み込もうとさらなる高みへと押し上げる。
俺にも少しずつ限界が近づいてくる。
「だめだ、まだ、もう少し我慢しろっ、俺がイクまで待て・・・・!!」
この言葉が絶対的な力を持って彼女を縛り付ける。“イクな”と言われれば永遠に快楽に弄ばれ続ける。
「いぃぃやあぁああぁああぁぁはやくうぅぅぅううあっ!!!!はやくうぅぅぅううっイッてえぇぇええぇっ!!!!!!」
彼女は天国と地獄の境で忠実に主の指示を守っている。彼女の精神が絞られ、揉まれ、潰され、舐められて壊れていく。
彼女が握り潰すような凄まじい力で俺を締め付ける。俺は耐えきれなくなって膣の奥へ奥へと深く突き進んだ。
「イクぞおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
俺の肉棒が膣内で爆ぜた。膣の最深部に精液が流れ込み、それとともに彼女に快感を流し込む。
「ひあああああああああああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
それは最早喘ぎ声ではなく悲鳴。欲望が満たされたことを喜ぶ歌。
彼女が身体を大きく弓なり反らせ、快感の爆発に飲み込まれる。
天使との交わり行は俺の中にも圧倒的な快感を生んだ。
「あ・・・・が・・・・」
水乃星が白目を剥いて倒れかかってきた。俺ですら気絶するかと思ったのに、女の彼女が意識を保てるはずがない。
「んあっ───!!」
俺は彼女から肉棒を引き抜いた。膣から自分でも驚くほど大量の精液が流れ出してくる。
俺は少し休んだ後、もう一度力を使って制服を水乃星に着せた。ドッと疲れが襲ってくる。
『いやぁ、お姉さん惚れちゃいそうだよ』
突如頭の中にお気楽な声が響いた。俺が殺されかけた原因になったやつの声だ。たしか名前はノルンだったか?
「お前まで俺を殺す気じゃあるまいな?」
『・・・・ちょっと周りを見なさい』
ノルンに従って周囲を見てみた。いつもと変わらぬ平和で静かな屋上だ。
『気付かないの?入り口は?氷は?』
「・・・・あ」
水乃星に壊された屋上の入り口、プールの水で作った氷、それらが全てもとに戻っている。
『人払いの結界も張ってたんだけどな~』
あれだけの騒ぎで誰も来なかったのは彼女のお陰らしい。
『せっかく心配して身に来てやったのにさ・・・・』
「悪かったよ、助かった」
『ふん、借りもあることだし、今回はタダに────』
その時、俺の視界がぐにゃりと歪んだ意識も遠のいて行く。足がぐらつき立っていられない
『大丈夫、少し疲れただけよ。今は眠────』
戦闘と洗脳を連続でこなすのは人間であるおれにはキツかったらしい。俺はそのまま床に倒れこみ、悪魔の声を子守唄にして意識を手放した──────


◇   ◇   ◇


俺が目を覚ましたのは姉の舞風の部屋のベッドだった。ぬいぐるみが大量にあるのですぐ分かる。
床には布団が敷いてあり、水乃星が寝かされていた。窓から外を見ると既に暗くなっている。
ガチャリと音を立ててドアが開き、部屋の中に舞風が入ってきた。
「もう大丈夫ですか?どこか痛むところは?」
世界平和が訪れたような、喜びに満ちたような顔で俺を見つめてくる。一体どれだけ心配していたのか。
「説明してくれ」
「突然女の声が聞こえたんです」
「あー、なんとなく分かったからやっぱりいい」
あの悪魔のことだ。今回はタダにはなりそうにない。
「そうですか・・・・」
役に立てなかったのが悲しいのか、舞風は顔から笑顔を消してうつ向いてしまった。
俺は舞風の顔を持ち上げてキスをした。彼女の機嫌を治すには、これが一番手っ取り早い。
「ゔぅ゙・・・・じんばい゙じだんでずがら゙・・・・」
「おお、よしよし。俺はピンピンしてるぞ」
俺は泣き出した舞風が壊れてしまわぬように、優しく強く抱き締めた。
「悪いが飯の支度をしてきてくれ。三人分な」
「グスン・・・・分かりました」
舞風が部屋から出て台所へと向かう。親は二人とも海外へ出張中で家に大人はいないため、家事はほとんど舞風の仕事だ。
「起きていいぞ」
俺がそう言うと、死んだように眠っていた水乃星が起き上がりこちらを見た。
「気分は?」
「最悪です。人間ごときに支配され、あまつさえあんな・・・・あんなに淫らに・・・・」
さすがは天使といったところか。名前を知られたとはいえ、平静を取り戻せばまだ完全には屈服していないとは、大した精神力だ。
俺は顔を膨らましている水乃星の頭に手を伸ばした。別に叱ろうというわけではないのに、少し怖いのか彼女が一瞬ビクッと震える。
俺は震える彼女の頭を幼児をあやすようにそっと撫でた。
「俺がご主人様なのは嫌か?」
「・・・・あなたはとってもズルい人です」
今の彼女の俺に対する認識は“一番大切で愛しい人”
彼女は俺に撫でられたことが跳び跳ねるほど嬉しいはずだ。俺もそれを分かっていて聞いたわけなのだから、たしかにズルい人間だ。
「かなり不本意ですが、こうなったからには・・・・」
水乃星の手が自分の頭を撫でている俺の手を掴んだ。それを自分の胸に当て、自分の宝でもあるかのように優しく抱き締めた。
「命尽きるまでご主人様にお仕えし、この身に代えてもお守りします」
彼女は俺をしっかりと見据えてそう言うと、顔を真っ赤にして俺を突っぱねて布団の中へと逃げていった。クールに見えてなかなか可愛いやつだ。
「ありがとうよ、守護天使さん」
数時間前まで殺すとか言っていたやつに一生面倒を見られることになるとは、世の中分からないものだ。
これから先は何が襲ってこようと心配ないだろう。俺には天使が憑いているのだから。
とりあえず今は空腹という最大の敵を倒すのが先決だ───