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2chの「MC・催眠系総合スレ」をまとめてます。(作りかけだから見にくい)
holy nightmare - 2chMCスレッド | 彩民のMC小説

holy nightmare

テレビや映画で活躍中のアイドル、高校のマドンナ、登校中にすれ違う人妻、他にも多くの美しい女性達が俺の前で美しい裸体をさらけ出している。
「黒月様」
「どうか私達を・・・・」
「ご主人様・・・・」
目の前の全ての女性が俺を求めている。
ここは俺の造り上げたハーレムという名の理想郷。この世界は俺のためだけに存在している。
「あははははははっ!!まるで夢のよ────」
俺が天国へと足を伸ばした瞬間、空からバケツをひっくり返したような大雨が降り注いだ。
俺の目の前で女性達が人形のように押し流されて遠ざかっていく。俺の視界を雨が奪っていく────
「どうわっは!!って・・・・・・・夢か」
起きた瞬間に今までのことが夢だったのだと理解する。だが雨の湿った不快感が身体に残っている。
不意に過る一抹の不安。いやいや、まさか17歳にもなって・・・・
うーん・・・・・・
「やっと起きましたか」
横を見ると水乃星がチョコンと座っていた。
彼女は俺に敗北して以来、寝泊まりする所がないと言って俺の家に住み着いている。丁度部屋も空いていたし、舞風の手伝いでもさせようかと置いてやっているのだ。
「早くしないと遅刻してします」
あぁ、可愛い同級生が俺を起こしに部屋に来てくれるというのは、きっと幸せなんだろう。ただ一つ問題が。
「今日は日曜日、学校は休みだ」
グッバイ俺の美女達、できることなら今日の夜にでもまた会おう。
「日曜日は学校は休みなんですか?」
俺は思わずベッドから転げ落ちかけた。
あぁ、天使相手にカルチャーショックを受けるとは。少しは人間の勉強してから来い。
「まぁいい。とりあえず着替えよう、服が濡れて気持ち悪い」
ん?夢にスコール、身体が水浸し、横に水乃星、そして「やっと起きましたか」・・・・
なぜ今までの気付かなかったんだ俺。
「水乃星」
天使としての真名はしっくりこなかったので、呼び方はもとの水乃星天子のままだ。
「なんでしょう」
「天使はよく水をぶっかけて人を起こすのか?」
「いえ、多分あなたが初ではないかと」
「・・・・そうか」
とりあえず布団に宝の地図を描いたのが俺じゃなくてよかった。
それにしても反省の色が全く見えないのは腹が立つ。
水乃星がポン!と両手を叩くとベッドと身体から湿り気が消えた。洗濯物が乾かないときに便利そうだ。
「やはり少し冷たかったですか?」
「もういい」
家事全般は一通りこなせるというのに、色々な部分がかなりズレている。
ちょうどいい。今日は日曜日で時間もあるし、お仕置きついでに彼女で遊ぶのも悪くないかもしれない。
「水乃星、ちょっとここに来い」
俺はベッドを叩いて水乃星を隣に呼び寄せた。それに彼女がそれに従ってベッドに腰掛けた。指示した場所より少し俺に近い。
「今日は能力の訓練をしたいんだが付き合ってもらえるか?」
それを聞いた水乃星が少しだけ驚いた顔をする。
「勿論です。日頃から研磨を怠らなければ、何が起ころうと落ち着いて対処できるようになるでしょう。あなたがそんなことを言うとは思いませんでしたが、私としても・・・・・」
彼女が眼に見えて生き生きとしている。もともと面倒見がいい性格なのだ。
水乃星が魔力がどうだとか対象物がどうだとか言っているが、長くなりそうなので俺は早速“訓練”を始めることにした。習うより慣れろだ。
「おい」
「あなたの場合・・・・・なんですか?今とても重要な」
俺は水乃星の目の前で指を鳴らした。パキンという乾いた音とともに一瞬だけ指が黒い光を放った。光線状ではなく拡散された俺の力だ。
生き生きしていた彼女の目から光が消え、力無くベッドへと倒れ込む。彼女には新たな俺の力を身をもって体験してもらう。
そして俺自身にも作用した力が俺の意識を奪った。


‡   ‡   ‡


目覚めた私は寝床から出て、ぐぅーっと伸びをした。
私の名前はウミ。ここはご主人様から頂いた私のお部屋。部屋の隅っこにはフカフカの寝床とトイレ、あとはご飯の器と宝物のボール。
ご主人様は、空き地に捨てられていた私を拾ってくれたとても優しい人。立派な首輪をくれて、いつも楽しく遊んでくれて、おいしいご飯をくれて、私が病気になった時もずっと側で看病してくれた。
そろそろご主人様が学校から帰ってくる頃だ。ご主人様の勉強でのストレスを解消してあげるのもペットである私役目だ。
お部屋の外で足音がする。ご主人様だ。私はしっぽをパタパタと振って扉の前でお座りをした。
早く遊んで欲しい、ぎゅっと抱き締めて欲しい、頭をなでなでして欲しい。
お部屋の扉がゆっくりと開いて、ご主人様が入ってきた。
「わぁう♪」
ご主人様は私と違って二本足で立てるからとっても大きい。
「ただいま。ウミ、寂しくなかったか?」
ご主人様がいない間はとってもとっても寂しい。お散歩にも行けないし、誰もボールを投げてくれない。私はご主人様に体を擦り寄せた。
「くぅん、くぅん・・・・」
「そうか、ごめんな」
ご主人様がぎゅっとしてくれた。ご主人様の体は太陽みたいにとっても暖かい。
「わん!!わぉう!!」
「よしよし」
「わふぅ・・・・」
ご主人様に体をなでなでしてもらってとっても気持ちいい。私は耳の穴をくりくりしてもらうのがとっても好き。
「よし、お手!!」
私は少し大きなご主人様の手に前足をのせた。言われた通りにできればご主人様はとっても喜んでくれる。
ご主人様が嬉しそうに笑ってもう片方の手を出した。
「おかわり」
「わんわん!!」
これくらい簡単だ。だって私はとってもお利口な犬だもの。
「さぁ今度は難しいぞ。チンチン」
チンチンは今ご主人様と練習中で、まだなかなか上手くいかない。でもご主人様に笑ってもらうためにがんばる。
「わぐぅ・・・・・」
私はゆっくりと前足を地面から離した。犬は普通二本足では立てないから、なかなかバランスがとれなくて大変だ。体重を受ける後ろ足がプルプルと震えて体がふらふらと揺れる。
垂れ下がっている大きなおっぱいが揺れて邪魔をしてきた。
ウミもこのおっぱいで赤ちゃんを育てるかな?ウミはご主人様と子供を作りたいけど、人間と犬じゃやっぱり無理なのかな・・・・・
私の体の揺れが止まった。チンチンが成功したんだ!
「やった!!よくやったなウミ!!あっ、こら」
嬉しさのあまり、私はご主人様にのし掛かった。大きなご主人様が床に倒れる。
私は立っていたときよりずっと近くなったご主人様の顔をペロペロと舐め回した。
ご主人様は私の全て。ご主人様が笑ってくれたら私もとっても嬉しい。だから今の私はとっても幸せ。
「こら、これじゃご褒美があげられないぞ」
「わう?わん!!あぉん!!」
ご褒美と聞いて、私はご主人様を舐めるのを止めて飛び退いた。
ご褒美ってなんなんだろう。
ご主人様がズボンを下ろしてご褒美を取り出した。大きな骨みたいでとってもいい匂い。
何故だかわからないけど、私はそれが欲しくて欲しくてしかたがない。
「ばう、わんわん!!」
私は我慢できなくなってご褒美に飛び付こうとした。しかし・・・・
「待て」
ご主人様の言葉が私の動きを止めた。ご主人様の言葉は絶対守らなきゃ、だって私はとってもお利口な犬だもの。
でも・・・・おいしそう・・・・・
「おいおい涎垂らしちゃって、そんなに欲しいのか?」
ご主人様に言われるまで涎になんて気付かなかった。でもどうしても止められない。
「がうっ!!わぉん!!」
ご主人様にお馬鹿な犬と思われるのは悲しいけれど、ご褒美がウミを誘惑するの。
私はご褒美が欲しいことを体を激しく揺すってアピールする。
「仕方ないなもう・・・・ほら、もういいぞ。でも噛んじゃ駄目だ」
待ちに待ったご主人様のお許しがでた。
すぐに私はご褒美に飛び付いた。なんておいしいんだろう。もうご褒美のことしか考えられない。
ご褒美にしゃぶりつく姿はとっても汚く見えるかもしれない。でもお願い、嫌いにならないで。どうしても体が止められないの、ご褒美がウミを馬鹿な犬にしちゃうの!!
「可愛いなウミは」
可愛い?こんな私が?こんなにお行儀が悪いのに、もうお利口じゃないのに・・・・・
「おいおいそんなにがっつくなって」
ウミはとっても幸せです、ご主人様。
ご主人様はお利口なウミもお馬鹿なウミも、全部まとめて愛してくれる。
「もう少しでご褒美からおいしいミルクが出てくるからな、ちゃんと残さず飲むんだぞ」
「はむぅ、むぁふぅん!!」
私はご褒美に夢中になっていたけど、ご主人様の声はしっかりと聞き取れた。
私はミルクが待ちきれなくて口の動きを激しくした。
「いいぞ!!ぅっ・・・・・・出る!!」
私の口の中でミルクが弾けた。私はそれを全て溢さず飲み込んだ。
少し苦いけどとってもおいしい、だってご主人様の味がするんだもの。
もっともっと飲みたかったけど、あまりのおいしいさに身体から力が抜けてしまって床に倒れてしまった。自慢のしっぽもだらしなく垂れ下がっている。
全身に幸せが満ち溢れている。私は今どんな顔をしているのだろうか。でもきっとご主人様ならどんな顔でも受け入れてくれるはずだよね。
私がやっとのことで起き上がると、身体に違和感があることに気付いた。お股が濡れているのだ。
ご主人様に拾われてから最初に習ったのはトイレのしかた。こんな当たり前のことができないなんて飼い犬失格だ。
ご主人様が私を軽々と抱き上げて寝床に運ぼうとする。その時
グチュ・・・・・
「きゃうん!!!」
ご主人様の手が私のお股に触れて湿った音を立てた。
私の身体を今までに感じたことのない不思議な感覚が走り抜けた。
身体の中を撫でられたようでとっても変な感じだ。
「ん?この音・・・・・」
音に気付いたご主人様が、床に座って私のお股を弄りだした。ご主人様にお漏らししたことがバレちゃう。
お股が湿った音を奏でて、私の身体に電撃を流し込む。
「くぅんっ!!あぅんぅっ!!」
身体が勝手に吠えてしまう。
何故だかわからないけどとっても恥ずかしい。
「ウミ、さては発情しちゃったんだな?」
「きゅ・・・・くぅん・・・・」
犬の私には難しい言葉は分からない。発情って病気かな?そしたらもうご主人様とは・・・・・
「発情ってのは、赤ちゃんを作りたくなるってことだよ」
私はそれを聞いて安心した。これなら私にも理解できる、ご主人様は頭がいい。
でもウミは知らない犬の赤ちゃんなんて欲しくない。ウミはご主人様の赤ちゃんがいい。
「わん、くぅん・・・・」
すこしでもこの思いが伝わればと、私はご主人様に体を擦り付けた。
「どうしたんだよ、もしかして俺の子供が欲しいのか?」
やった!ご主人様にウミの思いが伝わった。
私は再び体を激しく揺すって「そうだ」とアピールした。
ご主人様が私の頭をそっと撫でた。
「・・・・・実は俺は魔法使いなんだ」
魔法使いは分かる。ご主人様が昔よく読んでくれた絵本に出てきた不思議な人間のことだ。
「だから、ウミが望むなら俺と子供が作れるようになる魔法をかけてやるけど・・・・・どうする?」
もちろん答えは決まっている。
ご主人様の赤ちゃんが産めるなんて夢のようだ。
「わん!あおおおおおおぉぉぉぅん!!」
「そうか、嬉しいよ」
そう言ってご主人様が私にキスをした。これはウミにとって人間でいう“ふぁーすときす”だ。
「わぅん!!」
人間の言葉が話せたらどんなにいいか。いっぱいいっぱい言いたいことがあるのに。
「俺もウミといられて楽しいよ」
さすがはご主人様。私が何を考えてるのか分かるのかな?
ご主人様が四つん這いの私のお尻を自分の正面へと動かした。私はご主人様に対してお尻を突き上げる形になる。
ご主人様の顔が見えないのが少し残念だ。
「本当にいいんだねウミ?」
ご主人様は本当に優しい。最後まで私のことを心配してくれているのだろう。
もう答えは決まっている。
「くぉぅん!わんわん!!」
犬としてこれほど幸せなことはない。
ご主人様がご褒美を私のお股にピタリと当てた。小さな電撃が私の身体を震わせる。
私のお股がどんどん湿ってくるのがわかった。
「・・・・・いくよ」
お股の肉を押し広げながら、ご褒美が私の中へと入ってきた。
ご褒美が膣で擦れて今までより遥かに大きく強い電撃を私へと流し込む。
赤ちゃんをつくるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。でもどこかで同じようなことがあったような・・・・・
「くあああああぁああぁああぁあぁあっ!!!!」
私の疑問は直ぐに跡形もなく消えた。
私は今ご主人様と一つに繋がっている。それがとてつもなく幸せで、とてつもなく気持ちいい。
「くいぃいいぃいんうううううぅぅぅうぅぅぅっ!!!!」
気持ちよすぎて腰が勝手に動いちゃう。止められない、止めたくない。
もっともっと・・・・・
こうしていたい。
「きゃうん!!!うぅむぁああぁあああ!!!んわぁあおぉおぉぉん!!!!」

「ウミ・・・・・!!」
「くうぅぅううぅぅうん!!!!あうぅぁあああぁぁぁあぉぉおんっ!!!!」
ご主人様の声にも答えられない。
気持ちいいだけじゃ足りない。もっと仲良くしたい。
「好きだよ!!ウミ!!!!」
ご主人様が私の最も深いところをつついた。ご褒美からまたあのミルクが、こんどは私の中に直接流れ込んでくる。
私を大きな快感の波がさらっていく。私は自分を見失いそうな快感の中で必死に叫んだ。
「すきいいいいいいぃぃぃいぃぃぃ!!!だいすきれふううううぅううううぅぅぅぅうぅぅぅぅっ!!!!あうぁあうぁあぁぁあっ!!んあ゙うぁあぁぁあ゙ぅああ゙あぁぁあ!!!!!」
私の口からこぼれ落ちたのは人間の言葉。なんでかは分からないけど口が勝手に動いてしまった。
私の意識はご主人様への気持ちを伝えられた満足感と、限界を超えた快感に飲み込まれて消えていった──────


‡  ‡  ‡


私はご主人様に身体を揺すられて目を覚ました。
私はご主人様と赤ちゃんを作っている途中で気絶してしまったのだ。
私は起き上がってご主人様を心配させないようにしっぽをパタパタと振った。
「わん!」
「あらあら、まだ犬のままか?」
ご主人様の様子がおかしい。いつもの優しい顔だけど何かが違う。
ご主人様が私の目の前に軽く握った手を持ってきた。そして指をパキンと鳴らした。
そして私は全てを思い出した。
「ふっ、これぞ新技『holy nightmare』どうだった?」
目の前にいるのは黒月清水。そして私は水乃星天子。
「どうだったじゃないです!!はやく戻して下さい!!!」
私は黒月の術に掛けられて犬を演じさせられていたのだ。恐らくこれは幻だ。
今でもはっきりと犬の記憶、感情、幸せ、ご主人様への愛が感じ・・・・・って違う!!!
声と記憶はもとに戻った。しかし身体は犬を演じていたときのままで戻っておらず、二本足では立てないし、垂れ下がっている大きな胸が非常に重い、ご丁寧に犬耳としっぽまでついている。
少しでも気を抜くとまた犬に戻って・・・・・
「お手」
「わん!」
「おかわり」
「わん!!」
「チンチン!!」
「わぉ・・・・わぉん♪」
黒月の手に手をのせ、足をだらしなく開いて精液を注がれたばかりの淫裂をさらけ出す。彼の命令に犬の身体が勝手にしたがってしまう。
私は恥ずかしさで泣きそうになるが、顔は満面の笑みを崩さない。
なんだか凄く楽しい。ご主人様もとっても楽しそ・・・・・
「ああああああぁ!!!早く戻して下さい!!!!こんなところにいたら狂ってしまいます!!!!!!」
まだ身体は犬のままなため、黒月の動き一つで犬の自分をフラッシュバックして今の自分を見失いそうになる。
『holy nightmare』まし聖なる悪夢といったところか。
ご主人様が・・・・じゃない、黒月がこちらを見てほくそ笑んでいる。
「ここは俺の夢のなか、消すも創るも俺の自由」
私の部屋にぬいぐるみや机、時計、自転車などが現れては消えていく。
覚醒から数日でこの成長、黒月の能力の使い方は天才的だ。
「この中で何年経っても現実では数分でしかない」
ここは彼の精神世界。全てを操る神に等しい力を持つ彼が相手では私は完全に無力だ。
「だから“ウミ”はちゃんと赤ちゃんを育ててから出ておいで。俺の分身を置いていくから心配ないよ」
私は犬だった私がさっきまで何をしていたのかを思い出す。
ご主人様の赤ちゃんを産むのだと、それが望みだと言って・・・・・
「いやぁ!!!お願いウミを置いてかないで!!!!助けてご主人様!!!!」
この世界ではご主人様が「孕む」と言えば絶対に孕む。つまり今の私の子宮には命が宿っている。
このままでは人の身体で犬として出産して、この大きな胸で赤ちゃんを育てていかなければならない。
ご主人様の身体が光に包まれて消えていく。
「じゃ、少しの間だがまたな」
現実に帰るご主人様にとっては数分だが、私にとっては数年の長い期間。それは地獄だ。
「赤ちゃんなんて嫌!!!!ウミは赤ちゃんなんていらない」
不意に部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。ご主人様の分身だ。
「それじゃ、よろしく頼むぞ」
「おう、楽しくやらせてもらうぞ」
「待って!!!」
光とともにご主人様が現実へと帰った。
これで私にはしばらくの間、人の身体で犬として生きるしか道がなくなった。
「そん・・・・な・・・・・」
しっぽが私の心情を忠実に再現して垂れ下がる。
もうここからは逃げられない。
「さぁ、元気な赤ちゃんを産むために精をつけないとな」
ご主人様が私の額を指でトンと突いた。
ご主人様が私に何かした。また魔法かな?
「わう?」
ご主人様が私の前にご飯を持ってきた。大好物のドッグフードだ、とってもおいし、違う!私は犬じゃない!!!
「がう!がうがっ!!」
いつのまにか犬の言葉に戻っている。
心が、身体が、悪夢へと堕ちていく。
これを食べればウミを抑えきれなくなる。
「ほら、食べろ」
ご主人様の命令で身体が勝手に動きだす。今日は『待て』はないみたい。
ドッグフードが身体の中に入ってくる度に私の中の犬が喜んでいるのが分かる。
そうだ、ご主人様の赤ちゃんのためにいっぱい食べなきゃ。
あっというまに器が空になり、ちょうどそれで私は満腹になった。
「よしよし。ほら、ボールだ」
ご主人様がボールを転がした。私は本能に従って直ぐにボールをくわえてご主人様のところへと持ち帰る。
ご主人様が頭をなでなでしてくれて気持ちいい。
「よくできたな水乃星・・・・・」
「わぅん?わんわん!!!!」
ご主人様がウミの知らない名前を言った。水乃星って誰だろう、学校のお友達かな?
私の中の疑問はご主人様が再びボールを投げたことで消えた。
今はご主人様とボール遊びをするのがとっても楽しい。
「ウミは俺の奥さんだからな、これからも一緒にいような」
水乃星っていうのは聞き間違いだったみたいだ。
私がご主人様の奥さんなんて夢みたい・・・・・
「わんっ!!」
ウミはご主人様の赤ちゃんを産んで、ご主人様の奥さんとして生きていきます。


‡  ‡  ‡


私は突然眠りから覚めた。
ここは私のお部屋じゃない。ご主人様のお部屋だ。
お布団と枕がとっても柔らかくていい匂い。
「起きたか水乃星」
私の上からご主人様の声が聞こえた。ご主人様が膝枕をしてくれていたらしい。
水乃星って誰なんだろう、ずっと昔にもご主人様が同じ名前を言っていた。
私の名前はウミ。でもなんだか変な感じがする。まるで私じゃないような・・・・・
「朝飯に行くぞ、舞風が待ってる」
そうだ!朝ごはん。でもその前に赤ちゃんにもおっぱいをあげないと。でもおかしい、あんなに大きかったおっぱいが何処にもない、しっぽと耳の感覚もない。
「水乃星、いい加減に起きろって」
もう!私は水乃星でウミじゃないのに・・・・・
あれ?ウミは・・・・・・・
次の瞬間、私は数年間振りに自分を取り戻した。長い長い悪夢から覚めた。
心から戻りたいと願っていたはずなのに、私の眼から涙がこぼれ落ちた。
ウミとしての数年間の記憶が鮮明に私の中に蘇る。楽しかった日々、出産の幸せ、赤ちゃんにおっぱいあげる心地よさ。
辛い記憶なんてなかった。でもその記憶が麻薬のようになって、また犬になりたいと願っている自分がいる。
現実に戻ったはずなのに、まるでこちらが夢のようだ。
また夢の中へと帰りたい。そうだ、赤ちゃんにおっぱいをあげなきゃ、きっとお腹を空かしてる。
「私は誰なんですか・・・・あなたはいったい誰なんですか!!!」
「・・・・・」
ご主人様がまた私の目の前手を持ってきて指を鳴らそうとしている。
また私を犬にするつもりなのだろうか。早く!!早く私を犬に戻し─────
パキン・・・・
・・・・
・・


「ですから、あなたの力はただの魔力の塊なんです。普通はその形を整えることでようやく本来の力が発揮され・・・・・」
「こんな感じ?」
「え!?」
黒月がいつの間にか黒色の剣を一振り手にしている。
私は一ヶ月程かけて水の能力を完成させたというのに、この人は数秒でやってのけてしまった。本当に人間なのか?
「案外簡単だな」
「ありえない・・・・・」
剣の形が崩れて黒い塊に変化して、彼の手の上で銃や槍など様々な武器に目まぐるしく変化していく。
「状況に合わせて使い方を変えればいいんだろ?」
「普通はそれが出来ないんです。だから私は万能型の水を選んだんです」
「へぇ~・・・・・」
彼が魔力の塊を球状にして玩ぶ。それを見て何故か私の身体が疼いた。
あの球がとても魅力的に見えて仕方がない。
ボールを投げて欲しい!!一緒に遊んで欲し・・・・・
「水乃星!今日はここまでだ」
「あっ、はい」
彼が球を消したことで、突然身体から疼きが消えた。
今のは彼と交わるときにも感じたことのない欲求、ただの無邪気な犬になったような感覚。
「涎」
黒月が私の顔を指差していった。
私の口から透明な糸が重力に従って床に垂れている。私は慌て手で涎を拭った。
こんなことありえない。
「また私に何かしましたか?」
「別に。まぁ、あんまり気にすんなって」
「やっぱり。いったい何をしたんですか?」
「いやぁ、とりあえず後遺症が少なくてよかったよかった」
「後遺症って・・・・・説明してください」
俺は彼女がもとに戻ってホッとした。記憶の支配が成功したのだ。
お仕置き程度の軽い気持ちで水乃星を夢の世界に閉じ込めたのだが、思ったより精神へのダメージが大きかったらしい。
犬の記憶は彼女の心の底に封印した。これで彼女が壊れる心配はない。
たまに呼び起こして遊ぶのも面白いかもしれないな。
「ウミ、お手」
「わんっ♪・・・・ってなにさせるんですか!!!」
ウミも彼女の中で元気にしているようだ。彼女は滅多に笑わないが、ウミはいつもニコニコしているから、そのギャップがまたいい。
やはり寂しがるといけないからたまに遊んでやらねば。
「めでたしめでたし」
「いいでしょう、ならこちらにも考えがあります」
彼女が能力を発動させて周囲に水を展開する。
「おい待て!!家の中だぞ!!!」
「思うにあなたは『習うより慣れろだ』とか考えて何も聞いていませんね?ならば実戦です。私も試したいことがあります」
水乃星がキレた。
部屋の中の気温が一気に下がった。よく見ると彼女の水が固まっている。
「・・・・・いきますよ」
「お前!!!いつの間に氷なんて、うわっ!!止めろ!!!待っぎゃああああああああ」