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2chの「MC・催眠系総合スレ」をまとめてます。(作りかけだから見にくい)
寝取られた家庭 - 2chMCスレッド | 彩民のMC小説

寝取られた家庭

「まーくん、最近ご機嫌さんだね。何か良い事あったの?」

「んー、まあ、そんな感じかな」
妻の雪乃からの問いに、俺はわざと曖昧に応え、ごまかす様に夕食のラーメンをすすった。
雪乃もそれ以上追求しようとはせず、ただ嬉しそうに微笑みを浮かべる。



妻の雪乃と俺、真は、生まれて間も無い頃からの付き合いだ。
要するに幼馴染ってやつだ。

子供の頃の雪乃はとてもやんちゃで、自分は男だと言って憚らなかった。
だから、俺も異性としてではなく仲の良い遊び相手として見ていたのを覚えている。

同じ小学校に入っても(クラスはいつも違ったけど)それは変わる事は無く、むしろ兄弟の様に気のおけない関係になった。
平日、休日関係なしに毎日遊んだし、色々な所を探検した。

しかし、中学校に入る頃には雪乃はすっかり大人しくなり、そして俺はようやく、雪乃が他の女子とは違う事に気付いた。

いや、具体的には雪乃ではなく、俺と雪乃を取り囲むクラスメイトだが。主に男子の。
そう、雪乃はとんでもなく美人だったのだ。

きっと雪乃も俺を異性として見始めていたのだろう。
初めて同じクラスになったにも関わらず、俺と雪乃の距離は遠くなり、会話も滅多にしなくなっていた。

ある日俺は悟った。
このままでは雪乃が他の男に奪われてしまう。
今考えると、ヘタレの俺が何故あそこまで勇気を出せたのか不思議でならない。

「雪乃。そ、その、俺と付き合って、く、れ!」

目を瞑り、何度も噛みながら言った俺の告白に雪乃は返事をしなかった。

突然唇に柔らかい物が触れたので思わず目を開けると、雪乃の顔がすぐ近くにあった。
人生初めてのキスはとても柔らかく、そして優しかった。

それから雪乃と俺の距離は変わる事がなかった。
まあ、たまに喧嘩はしたんだけど。それでもお互い『別れる』という事すら思い浮かばなかったんじゃないかと思う。
長い年月が少しずつ思い出を生み、二人の関係をより深くした。

大学4年になり、無事就職活動を終えた俺は、雪乃には内緒でアルバイトを始め、桜が散る少し前に、買える中で一番高い指輪を持ってプロポーズした。
雪乃は泣いてくれた。

俺たちの幸せが続いたのはそこまでだった。

結婚してまだ一週間も経っていなかったと思う。
二人とも親元を離れ、小さなアパートで暮らし始めた頃だった。

不意にインターホンが鳴った。
「もしもし、山辺さんのお宅でしょうか」

覗き窓を確認すると、品の良さそうな中年の男が立っていた。
宗教の勧誘か?念の為にチェーンをかけてから鍵を開ける。

扉を開けた瞬間、眼前に小さな青色のライトを突きつけられた。そこで俺の意識は途絶えた。



「…そうですね。母も結婚式の時に泣いてくれて、ようやく二人一緒になれたんだねって」

「なるほどなるほど。念のため確認します。プロポーズはつい最近ですね?」

「はい、まだ一ヶ月も経っていません」
俺は会ったばかりの男にプライベートを全てさらけ出していた。自分の意思とは無関係に。

「それで、お二人の営みの方はまだそれほど多くないと」

「はい。幼馴染だからか少し気恥ずかしくて。それと、二人とも実家暮らしだった事もあって、何となくそういうのは一緒に暮らし始めてからかなって。雪乃も同じ様な考えだと思っています」

「素晴らしい」
そこで男は一度言葉を切った。

「長く育まれた愛情、新婚、そして美人で潔癖な奥さん」
「我々にとって、お二人は最高の商品ですよ」




ピンポーン。

ふいに、インターホンの音が鳴った。

「ごめんください。客の後藤です」

幸せな時間は一瞬で吹き飛んだ。

ここ3日間来なかったのに。
久々に、『本物』の雪乃と話が出来たのに。

「はい、少しお待ちください」

雪乃が立ち上がり玄関に向かう。
もう、今の雪乃は男の言う『商品』に切り替わっている。
部屋を出る途中、雪乃はしっかりとドアを閉めた。

客を迎える雪乃の明るい声が、扉越しにわずかに聞こえる。
俺はこのダイニングから一歩も出る事が出来ない。何時間かの間、じっと耐え忍ぶしかない。

突然ドアの反対側に何かがぶつかる音がした。
そして、ドア越しに雪乃の嬉しそうな声が聞こえてきた。

「まーくん!すごいの!子宮の奥にずんずん当たるの!まーくんじゃ届かない所に!」
「気持ちいいの!おっぱいを揉まれただけで頭が痺れるの!こんなの初めて!」
「今までまーくんと一緒にいた日々がバカみたい!何で幼馴染がお客様じゃなくてまーくんだったんだろう!」
「ねえ、時間返してよ!あーあ、まーくんが私に告白さえしなかったらなあ!」

今日の客は自分をひたすら褒め讃えて、俺を貶す事が好きなタイプらしい。溜息が漏れる。
心とは対照に、俺の一物はギンギンに硬くなっていた。



男によって自由を奪われた俺たちは命じられるがまま、とある新築の一軒家をローンで購入させられた。
一見何の変哲も無い家だったが、リビングとダイニングが玄関を挟んで左右に分けられており、その距離は少し長く、そして扉が分厚かった。
リビングはダイニングに比べると広々としていて、作りも良かった。

後から分かった事だが、この家の隣近所は表札こそかかっているものの、全くの空き家だった。
つまりどれだけ騒ごうが喚こうが誰も助けてはくれない。

「二人には催眠を施しています」
男はそう前置きをした。

「奥さんは色々な催眠をかけています。全てを説明するのは大変なので、主要な物だけ言います」
「まず、お客様を丁重に持て成し、どんな命令にも従う事が、妻として何よりも大切な務めだと言う事。そして事後にその行為を夫に対し、事細かに伝えなければならないという事です」
「次に、性交はお客様とするものであり、夫とはしないという物です。夫との性交は、例え求められただけでも、妻にとって暴力やレイプと同じです。夫が性器に触れるだけでもアウトです。逆に、お客様との性交はどんなプレイであっても『愛のあるセックス』です」
「避妊に関してはご心配なく。毎月ピルをお送りしますし、奥様には疑問なく飲むように暗示をかけています」

「旦那の方はシンプルです。お客様からの命令や、お客様の為にする行為に対し必ず従う事。妻の持て成し中は、命令がない限り玄関やリビングに出ない事」
「そして、妻がお客様と性交する、つまり不義に対し、この上ない性的興奮を覚える事です」

「お客様の容姿や声質はお二人には認識出来ませんし、記録も残せません」
「ちなみに、この件を誰かに伝える事自体は制限していませんし、やろうと思えば警察に助けを求める事も出来ますよ」
そう言って男は満面の笑みを浮かべた。

持て成しは2時間ほどで終わった。
「雪乃、おつかれ」
雪乃は携帯を弄りながら部屋に戻ってきた。
今日の業務報告をしているんだろう。俺たちをこんな事にした奴らに。

「うん。まーくん、今日のお客様のお話をするね」
そう言って雪乃は出来る限りの詳細を俺に話し始める。
お客様のケツの穴はどんな味だったのか。お客様はどれだけ陰茎が大きくて、どれだけセックスが気持ちが良かったのか。
命令されてはいないので、先ほどのように俺を貶す事はないが、笑顔で話す雪乃の姿はいつもの事とは言え、俺には耐え難い物だった。

そして自分が感じている興奮にも。
「まーくん、我慢なんてしなくて良いんだよ。いつも通りにやっちゃって」

雪乃は夫が自分の目の前でオナニーをする事に抵抗がないばかりか、むしろお客様との行為に夫が興奮する事に、妻として喜びを感じるようにさせられていた。
最初は単なる嫌がらせかと思っていたが、夫をマゾ体質にする催眠は、とても打算的で効果が高い事が分かった。

どれだけ怒りを覚えても、一度自慰をしてしまうと発散され、我慢が出来なかった自分への失望に変わってしまう為だ。
また、もしも夫がこの興奮の虜になってしまえば、自ら進んで妻を差し出す様になる。そうなってもおかしくない程、強力な欲求だった。

俺は諦めてオナニーを始めた。
「それでね、お客様の精液って本当に美味しいの!甘くて、それでいてコクがあるの。おしっこも凄く美味しくて、もったいないから床にこぼれた分まで舐めまわしちゃった」
雪乃が何かを言う度に、俺の陰茎は律儀に反応し、それを見た雪乃は喜び、更に明るく持て成しの話をする。
射精はあっという間だった。

雪乃は手馴れた様子で、既に用意していたティッシュで俺の精子を受け止め、ゴミ箱に捨てた。

雪乃が全ての話をし終わるまでに3度射精をした。

「まーくん、またいつもの不機嫌さんに戻っちゃったね…」
雪乃は悲しそうに言う。原因が理解出来ないのだろう。

「もしかして、私の持て成し、駄目だったのかな?」

俺は慌てた。
「い、いや、全然そんな事ないよ」

雪乃はとたんに輝いた。
「そっか!じゃあこれからも頑張るね!」



この生活が始まってから季節が何度か巡った。
平日は家と会社を往復し、雪乃の話を聞いた後、お客様が汚したリビングを掃除して寝るだけの日々。
休日はダイニングの椅子に座りながら雪乃の持て成しが終わるのを待ち、ひたすらに自分の性的興奮を抑えようと努力し、無駄に終わる。
客が来ない日を唯一の糧として。そして、来るかも分からない解放の日を待ちながら。

家に訪れる客は訪問時に名乗る苗字から(偽名だろうが)、リピーターが20人程度いる事が分かっている。
一見の客はそれ程大変な要求をして来なかったが、リピーターは回を重ねるごとにエスカレートしていった。


「まーくん、今日のお客様の為に、身体中にいやらしい言葉を書いて欲しいの」
ある日会社から帰ると雪乃は油性ペンを渡してきた。既に全裸だった。
『すぐに勃起しちゃう淫乱乳首です♪』
『中だしされるとイきまくります』
『夫が相手をしてくれないから、オナニーが凄く上手になっちゃいました…』
『特技はまんぐり返しです!』
よくもまあこれだけ考えつくな、と自分でも思うくらい隙間なく、雪乃の体を隠語で埋め尽くしていく。
「まーくんありがとう!」
雪乃は体に書かれた言葉を余すことなく暗記し、そしてお客様の前で順番に大声で朗読し、その通りの行動を取った。


「来週の月曜ね、お客様に指一本触れずに、どれだけ興奮させて差し上げられるか試されるの。まーくん練習手伝ってね」
相手が興奮する様なオナニーの仕方、ストリップ、果ては嬌声の上げ方まで。
雪乃は真剣に研究を重ねた。

俺は雪乃のために参考になりそうなビデオを山ほど買い、それを見ながら指導した。
「んー、もうちょい乳首を見せるのはゆっくりの方が良いんじゃないかな。その方がいやらしいよ」
2日間、二人で徹夜して練習したが、結局お客様を喜ばせる事は出来ず、雪乃は酷い仕置をされた。


俺が持て成しに参加させられる事も増えてきた。

「まーくん!何年も付き合ってようやく結婚したのに、そんなおもちゃとしかセックス出来ないのってどんな気分?」
「奥さんが会ったばかりの男におまんこぐちょぐちょにかき乱されてるけど嬉しい?そのお人形さん気持ち良い?私は凄く気持ち良いよ!ねえ、結婚式で私を一生幸せにするって言ってたけど、あれなんだったの?ねえ、答えてよまーくん!」
俺は雪乃がセックスをしている隣で、雪乃が買ってきた粗末なビニール製のダッチワイフに腰を打ち付けさせられ続けた。
悔しい事に、その日はいつもより興奮した。


「ちょっとまーくん、何で私が知らない男にレイプされているのにそんなビンビンのちんこ扱いてるの?」
「確かにまーくんは私が寝取られると興奮する変態にされちゃったけど、別に我慢しようと思えば出来る様になってるはずだよ?ねえ、こんな真冬に全裸で庭でマスかいてるキモ男が旦那様の私の気持ち考えたことあるの?」
この日は窓越しに雪乃が泣き叫びながら犯される様子を見せられ、もしオナニーを我慢出来れば無罪放免、出来なければ罰ゲームというお客様からの要望だった。
「お仕置きね!」
そう言って雪乃は俺の股間を蹴り上げた。俺はのたうち回りながら射精した。


「まーくんやめて!夫婦でセックスなんて、そんな酷い事まーくんしようとなんて思ってないよね?嫌!私のおまんこはお客様の為にあるの!私のおっぱいはお客様に揉んでいただく為にあるの!すぐに離れて!」
俺は床に寝そべっている雪乃に覆いかぶさり、体が触れるか触れないかギリギリの所まで近づけさせられた。
起き上がる事は出来ないが、倒れる事は制限されない状態で。
腰は少しだけ引かされ、ほんの少し力を抜くだけでペニスが雪乃のあそこに当たるようになっている。
「本当にお願いだから!まーくんてそんな人だったの?まーくんの息が当たるだけで気持ち悪い!お客様どうか助けてください」
口ではそう言いつつも、雪乃の手は激しく秘所を弄っていた。
クチュクチュと言う音が鳴り響き、甘い吐息が俺の肌をくすぐる。

しばらして俺はお客様に蹴り飛ばされ、雪乃は感謝の言葉を述べながら自ら腰を振り続けた。



客の要求が厳しくなるにつれ、俺にとって1日は耐え忍ぶ物から、自分の大切な何かと引き換えに何とかやり過ごす物へと変わっていった。

ある日、そんな日々もまだ酷く甘い物だった事に気付かされた。

「最初はね、犬にさせられたの、私。どうしてか分からないんだけど、ワン!とかキャン!としか言えなくなって、四つん這いで歩くようになったの」
「それで、冷蔵庫にあったパンが床に散らばっていたから、私は順番におしっこをかけたの」
「お腹がすいてたから試しに食べてみたら、当たり前だけどおしっこの味がして。でもお客様に褒められるのが嬉しくてどんどん食べたの」

「途中で、このお客様は他の方とは違うな、って気付いたの」
「何ていうのかな、凄く特別な感じがしたの。お客様に命令されると、絶対に、何が何でもしなきゃ!って気持ちになるし、ほんの少しでも機嫌を損ねると私は物凄い後悔に苛まれるの」

リビングは凄惨を極めていた。
半円になったDVDや、ボロボロの紙切れ、粉々になった皿や置物が散乱していた。
どれも見覚えのある物ばかりだった。

「それでね、何でそう思ったのか分からないんだけど、私は今まで催眠術で、お客様を精一杯もてなすのは当然の事、そう思い込まされていたって考える様になって」

「お客様は本当はただの知らない赤の他人で、そんな人とセックスをする事は異常な事で、セックスは本当は夫とするのが普通だって思うようになったの。そんなはずないのにね」

「それで私は急にお客様が恐ろしく感じて逃げ出そうと思ったんだけど、何故かお客様の方とは反対側に跪いて、お尻をお客様に突き出す姿勢のまま動けなくなっちゃったの」

「だから私は泣き叫びながら助けを求めたんだけど、お客様は私の目の前に、私とまーくんの思い出の写真やビデオを並べ始めたの。あ、これは私が事前に集めておいたんだけどね。それでこう言ったの」

「『これから君は僕にレイプされるんだけど、一突きされる度に今まで感じた事の無いような快感を得られる。でも、イけない。どれだけ突かれてもイけないんだ』」

「『思い出の品を自分の手で一つ壊すと一回だけイく事が出来る。そして、一つ壊すたびに突かれた時の快感は増していく』」

「最初は何を言ってるんだろうって思ったんだけど、でもそれは本当なんだってすぐに分かったの」

「もちろん歯を食いしばって我慢したの。まーくんとの掛け替えのない大切な思い出だし、壊すとまーくんとの愛情も駄目になっちゃうって思って」

「でも1分保たなかったの。しかも、一番我慢出来たのは最初の1個目で、2個目、3個目と壊していく内にどんどん気持ち良くなっちゃって、途中からは一突きされる度に大急ぎで壊すようになっちゃったの」

「気持ち良さは本当に果てなく上がっていったの。写真をビリビリに破って、デジカメに入っていたメモリーカードをボロボロにして」

「中学校の頃、まーくんに誕生日プレゼントとしてあげた手編みのマフラーを引きちぎるのは結構大変だったけど、上手く駄目に出来た時は気持ち良すぎて失神しそうだったの」

「だけど気付いたらもう思い出の品は一つも残ってなくて、でも快感は収まってなくて。そしたらお客様が教えてくれたの。『まだ婚約指輪が残ってるよ』って」

「指輪を切るための専用の工具を渡してくれて。知ってる?リングカッターって言うの。使い方も教えて頂けたんだ」

「私本当は気付いてたの。まーくんが指輪を買う為に一生懸命アルバイトしてたって。だって急にデートの回数が減ったからね。だからこれだけは壊せないって。何があっても耐えるって」

「でも12回目のピストンで駄目だったの」

「お客様は嬉しそうに私を罵ってくださったの。『お前はどうしようもない雌犬だな』って。私もその通りだと思って、そしたら涙が止まらなくなって」

「それからはずっと、大声でまーくんを罵るとイける様になったの。私涙で声が上手く出なかったんだけど、それでも必死で張り上げたんだよ。録音してるから後で聞かせてあげるね」

「最後に、今日一日にお客様にして頂いた事を一つ一つ思い返して、感謝の言葉を言うように言われたの」

「始めは嫌々だったんだけど、思い出す度に何だか凄く良い事をしてもらった気になってきて」

「最後の最後には、頭を床に擦り付けながら『まーくんとの思い出は無くなってしまいましたが、今日一日でそれ以上に大切な思い出を作る事が出来ました。一生忘れません。本当にありがとうございました』って言って見送ったの」

「やらされたんじゃなくて、自然と自分から、自分の言葉で言えて嬉しかった」

俺は応えず、ただ歯を食いしばっていた。
雪乃は泣き始めた。

「ごめんなさい」
「私が淫乱な雌犬だったばかりに、全部壊してしまってごめんなさい」

お前は何も悪くない。
そう言いたかったが、出来なかった。
俺の陰茎は今までにないくらいそそり立っていたから。

俺がかけられた催眠は、雪乃が酷い目にあ遭えば遭うほど、二人の絆が傷つけられれば傷つけられるほど興奮する様になっている。
もはや、少しでも気を緩めれば無意識のうちに自慰を始めてしまう程の激しい衝動を、俺はなけなしの誇りと、積もり積もった怒りの感情で抑え続けていた。

ここで耐えられなかったら全てが無くなってしまう。

嗚咽が聞こえなくなっている事に気付いた。
「まーくーん。こういうのは我慢しちゃ体に悪いんだよ♪」

見ると、先ほどまで泣いていた雪乃がとても上機嫌に、これから楽しい事でもあるかの様に笑みを浮かべていた。

「そうだ!今日は特別にペッティングしてあげる!」
体が指一本動かせない事に気付いた。

「ふふっ、気付いてあげられなくてごめんね。代わりに今日は私が全部やってあげる。まーくんは何もしなくて良いよ」
やめろ!

そう言おうとしたが、口は開かなかった。
代わりに、俺の体は勝手に、雪乃がズボンを脱がしやすい様に腰を浮かせた。

雪乃が2、3回扱いただけで俺は果てた。
精液が雪乃の服に、顔に、髪にかかった。

「あははっ、凄い元気だね。全然柔らかくならない!」

雪乃の手は男の体を熟知していた。絶妙なタイミングで性感帯をくすぐられ、俺は少しも堪える事が出来なかった。

「そういえば、まーくんにフェラチオしてあげるのって初めてだよね?今日は記念日だね!」
雪乃のフェラチオは今までのどんな快楽よりも気持ちが良かった。

雪乃によるペッティングは朝まで続いた。
俺は数え切れないくらい射精した。


俺はその日を境に抗う事を止めた。



「…それでね、私、お尻を叩かれたり、髪の毛を引っ張ったりしてお仕置きされると、自分が本当に何も出来ない駄目な人間なんだなって思えてきて」
「そんな生きる価値の無い肉便器の私を叱ってくださるお客様って本当に良い人なんだなって思ったの。だから叩かれるたびに『ありがとうございます』って言う様にしたの」
口を半開きにしながら、ただ自分の本能のままにペニスを擦る。
話を聞いていると、もっと雪乃を無茶苦茶にしてくれる客が来ないかな、何て言葉が自然と脳裏に浮かんだ。

不意に、携帯からメールの着信音が鳴った。

メールを見た雪乃が呟く様に言った。
抑揚のない声だった。

「まーくん、私もう終わりなんだって」
「賞味期限切れだから、もう用無しなんだって」



春になり、再び桜が色づき始める様になったにも関わらず、俺たちは永遠に続く停滞の中にいた。

空を見ると、まだ三日月と呼ぶには細い脆弱な光が見える。

確かに俺たちは解放された。
俺も雪乃も、かけられた暗示が解かれる事なく。

毎日鳴り響いていたインターホンが来客を告げる事は滅多になくなり、せいぜい郵便配達の為に使われるだけになった。
いつも月の初めに家に届けられたピルはピタリと来なくなった。つまり、雪乃は妊娠出来るようになった。身体的には。
以前さりげなく、偶然を装って唇を重ねようと試みた事がある。雪乃はその途端ひどく怯えた。

路地を曲がると見慣れた我が家の屋根が見えた。
何年間も空き家だったこの一角は、何事もなかったかの様に人が住み始める様になった。

家の表札の前に立ち、インターホンに手を伸ばす。

ふと、くだらない賭けをしてみようと思った。
「ごめんください。客の…山辺です」
少しして声が聞こえた。

「はい。少しお待ちください」
心臓がどくんと跳ねた。


「まあ、お客様。お待ちしておりました」
雪乃はずっと待ち望んでいた人に会えたかのような顔をしていた。

「山辺真の妻、雪乃と申します」

俺はリビングに案内されると、雪乃と並んでソファーに座った。
「まず、私と夫の話をさせて頂きますがよろしいでしょうか?」

「ああ」

「私と夫は所謂幼馴染でした、それも生まれた日がほんの2週間違うだけで、病院も一緒。物心つく頃から毎日の様に顔を合わせているものですから、二人でいる事が当然でした。むしろ、一日合わないだけで何だか落ち着かないんですよ」

雪乃は順番に心の引き出しを開けて入った。言われて嬉しかった事。仕様もない喧嘩。
「でも、中学生に入ると、距離が急に遠くなったんです。今までは気にしていなかったのですが、思春期に入って、男女でグループが分かれるようになると、彼の隣に私の居場所がなくて」
「ですから、夫に告白された時はとても嬉しく思うと同時に、舌を噛みながら言う姿に安心しました。ああ、全然変わってないんだなって」

話はそれからも高校、大学へと進み、そして結婚式の様子を語ると終わった。
「以上、馴れ初めを話させていただきましたが、それも貴方様を一目見た途端、全て吹き飛んでしまいました」
「私は貴方様の事を愛しています。私は今、これまでの日々が何でも無かったかのように感じています。貴方の為ならどんな事であっても」
「雪乃!」

俺は雪乃を抱きしめた。
「雪乃、本当にごめん。守れなくてごめん。俺が告白なんかしたせいでごめん」

「お客様、どうされたのですか?何か辛い事でもありましたか?」

俺は何も応えられず、ただ泣き続ける事しか出来なかった。

雪乃は困ったように微笑み、俺の顔を両手で挟むと、そっと顔を近づけてきた。
懐かしい感触がした。